テレビで「ヘビを食べるシーン」がある。秘境の住民を取り上げる旅番組などで、よく見られる光景だ。
食事のシーンになると、ヘビを始めとするゲテモノがでてくる。現地の人はムシャムシャ食べ、リポーターは眉間にシワを寄せながら齧る。
しかし何度か噛むうちに表情が一転し、「美味しい」とか「鳥肉みたい」といったポジティブな感想を言う。それをきっかけに住民と仲良くなり、生活に馴染んでいく。
瞬間的に嫌だと思っても、結果的にはよかったということは多々ある。
しかしその美味しさや楽しさを実感するには、たとえヘビだったとしても自分からかぶりつかなければいけない。
自分は嫌だと離れるのも一つだが、口に含むことで開ける世界もあるのだ。